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愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q30 牧草の種類について

Q30 質問者:乗馬クラブスタッフ

馬は草食動物なので、充分な量の牧草を食べさせることが重要だということは、良く理解できます。 しかし、牧草にはチモシー、ルーサン、イタリアングラスなど色々な種類があります。
種類(大型馬、ポニーとか)、ライフステージ(若い馬、老齢馬)、運動の強度(よく運動する、あまりしない)などの違いによってその馬に適した牧草があるのでしょうか。

Answer

「草食動物には牧草が必要」は言い換えると「草食動物には繊維が必要」となります。馬の消化管は大腸(盲腸、結腸)が発達しており、大腸で繊維を発酵してエネルギー源となる物質(揮発性脂肪酸)を産生します。
また同時に大腸内の微生物がビタミンB群やC、Kを産生し、馬はこれらのビタミンを利用しています。
したがって、飼料中の繊維は馬の生命維持にとって非常に重要な栄養素であると言えます。
牧草の品種は異なっても一定量の繊維は含まれているので、広い意味ではどの牧草であっても良質飼料になり得ます。ただし、イネ科牧草(チモシー、イタリアンライグラスなど)とマメ科牧草(アルファルファ、クローバーなど)では栄養価が異なり、タンパク質やカルシウムの含有率は後者の方が圧倒的に高くなります。
そうした特徴を活かした使い分けはありますが、馬の種類やライフステージ、運動強度によって適するとされる特定の牧草品種はありません。