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愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q42 骨折治療中の静養馬のカイバについて

Q42 質問者:厩舎関係者

管理している馬が、骨折して3カ月動かせません。その間の飼養量は1日どれ程を与えればよいでしょうか?

Answer

現状給与量など詳細が不明なので、原則的な回答となることを予めご容赦ください。

休養中の飼料給与で重要なことは、
① 運動量の低下に合わせエネルギー量を制限する(エネルギー量は休養前の約50~60%程度)
② 筋肉量の低下を防ぐために飼料中のタンパク質量は休養時の要求量を確保する(運動時に比べ休養時のタンパク質要求量は60%程度に低下する)
③ ビタミン、ミネラルはバランスを考慮し最低必要量は確保する
になります。

①の達成方法としては、エンバクや配合飼料などの濃厚飼料と牧草など粗飼料の給与量比率を大幅に変更するのが一般的です。たとえば現在、濃厚飼料:粗飼料=1:1(あるいは5㎏:5㎏)であるとすると、これを1:7~8(1㎏:7~8㎏)程度とします。
ここで濃厚飼料を10%程度(1㎏程度)キープしている理由は、上記③にある微量元素(銅、亜鉛、セレンなど)とビタミン(A、D、Eなど)を確保するためであり、普段給与している配合飼料にさまざまな不足しやすい栄養素が含有されていればこれを給与するのがベストです。  食塩は1日50g程度の給与の継続は必要です。牧草は休養前に比べると給与量は増量します。ほとんどの時間を馬房で過ごすことになり、食べるものが無くなって敷料を食べてしまうのであれば、牧草給与量は多少多めでも仕方ないことだと考えられます。
また、エネルギー量を増加するために植物油などの脂肪を給与している場合は、その給与は停止します。

②を達成するために、給与する多めの牧草のうちの20%程度をアルファルファ乾草とすることが奨められます。たとえば、チモシー乾草を6~7㎏とアルファルファ乾草を1.5㎏程度とする、などです。また、アルファルファのサイレージ(水分50%程度に調整されたもの)も製品として販売されており、品質も安定し嗜好性も良好なようです。

軽い引き運動などが可能になれば少量ずつ給与量の増加を検討しますが、体重とボディコンディション スコア(馬体各部位の脂肪蓄積具合を触診により観察し点数評価する方法:月刊馬術情報2016年11月号 『愛馬のためのカイバ道場』 Vol.4、をご参照ください。弊社のHPからも閲覧可能です。)
を参考とし、理想体重の±5%程度で推移させるのが好ましいと考えられます。