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愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q26 サプリメントや大豆粕

Q26 質問者:乗馬愛好家

日本スポーツホース種の6歳のせん馬を先月購入しました。まだ若い馬なので馬体の筋力づくりにサプリメントを与えてみようと思っています。サプリメントにはどのような成分が含まれているものが良いでしょうか? またサプリメントを与えるのはどのようなタイミングで与えるのが効果的か、与え方は普段のカイバに混ぜる与え方でよいのでしょうか?
もしサプリメントを運動の前に与える方が良いとしたら、だいたい何分前を目安にすればよいですか?

Answer

「筋力づくりに必ずサプリメントが必要か」というと必ずしもそうとはいえません。筋肉を合成するために必要な条件は、適切な運動と栄養です。ここでいう筋肉を合成する栄養とはタンパク質であり、そのタンパク質を構成するのはアミノ酸です。
とくに体内で合成できないため必ず飼料から摂取しなければならないアミノ酸を必須アミノ酸と呼んでいます。さまざまな馬の飼料それぞれにアミノ酸組成の異なるタンパク質が含まれていますが、もっとも一般的な飼料でアミノ酸組成が良好(必須アミノ酸がバランスよく含まれる)な飼料は大豆粕で、タンパク質含有率も45%程度と非常に多く含まれています。
通常の配合飼料にもタンパク質を強化する目的で大豆粕が一般的に用いられています。

したがって、高価なサプリメントに頼らず、まずは大豆粕を補給するという姿勢がリーズナブルです。大豆粕の給与量は他の飼料の給与量にもよるので一概には断定できませんが、体重500-600㎏の成馬であれば1日あたりの全給与飼料に含まれるタンパク質総量が1,000-1,300gとなるよう調整、添加する必要があると考えられます(大豆粕だけで1,000gのタンパク質を補給するという意味ではありません)。

給与するタイミングは、体内の筋肉合成が活発となる運動直後にタンパク質の多くを与える、すなわち1日に給与する大豆粕の半分以上は運動直後に与えるのが効果的と考えられます。ただし、急激な飼料中のタンパク質の増量は消化管や窒素排泄をつかさどる腎臓に負担をかける可能性があるので、馬の状態を確認しながら大豆粕を含め給与量の調整を少量ずつ変化させる必要があります。