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Q22 馬運車移動の際の飼料給与

Q22 質問者:高校馬術部部員

競技会に行くため、ウマたちを長時間馬運車で移動させることになりました。移動の前後とか馬運車の中での飼料給与などで注意することがあれば教えてください。そもそも馬運車での移動中に何か食べさせても良いのでしょうか?

Answer

3時間程度を超えない輸送であれば馬運車内での水や飼料の給与は必要ないと思われますが、それを超える長時間輸送では、少なくとも4時間ごとに停車して水を十分飲ませる必要があります。

とくに高温多湿時には発汗量も増加し、脱水の発症リスクは急激に高まり、到着後のパフォーマンスにも影響を与えます。牧草をネットなどに入れて馬の前に吊るし、いつでも自由に牧草を食べられるようにすることは、馬のエネルギー補給、ストレス軽減にとって有効な手段です。しかし、このとき注意しなければならないことは、埃っぽい牧草を馬の呼吸ゾーンから離し食べられる範囲内でなるべく低く吊るすこと、馬運車に積込む前にネットごと水に浸して牧草の塵埃を取り除いておくことです。換気の悪い馬運車内で塵埃を吸うことは輸送性肺炎を起こす原因となります。

馬運車による1日の最大輸送時間は12時間とされています。12時間を超える場合は途中で馬を馬運車から降ろし、できれば快適な馬房内で8時間程度の休息をさせる必要があります。こうした休息時には普段食べなれている飼料を通常量の半分程度を与えるのがよいと思われます。また、輸送による体重減少量が多い馬では、4時間ごとの給水時に少量の食べなれた穀類や配合飼料を与えてもよいと思われます。