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愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q34 繁殖牝馬の栄養管理

Q34 質問者:牧場関係者

繁殖馬に何を食べさせたら、発情、卵の成長に良いでしょうか。

Answer

交配ならびに受胎前の繁殖牝馬の栄養管理に関する一般的な指針について紹介させていただきます。JRA日高育成牧場などにおけるこれまでの調査から、定期的な発情周期の維持や早期流産予防に大きな影響を与えるのは繁殖牝馬のボディコンディションスコア(以下BCS)です。(BCSについては、馬術情報「愛馬のためのカイバ道場」(2016年11月号)をご参照ください。「愛馬のためのカイバ道場」のバックナンバーは当社HPから無料でご覧いただけます。)

繁殖牝馬の理想的なBCSは6(ややふっくらした馬体)であり、これを年間とおして維持することによって良好な繁殖成績が得られると考えられます。また、BCSが低いと受胎率も低い傾向がある、受胎前後の繁殖牝馬のBCSが低下する場合に早期流産に陥りやすいことなどがわかっています。BCSを維持するためにはエネルギー量を適正なものとする必要があるので、日々給与する牧草や配合飼料の摂取状況を把握しながら1週間程度の間隔でBCS6が維持されているかどうかを確認し、低下するようであれば給与量を増やすあるいはより嗜好性の高い飼料に変更するなどの対策が必要です。その他、繁殖機能維持に必要なビタミンEの補給や胎子の発育に必要なカルシウムやリン、銅や亜鉛などの微量元素が不足しないように注意する必要があります。