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愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q33 乾草を水に浸す目的は?

Q33 質問者:乗馬クラブスタッフ

乾草を水に浸してから与えるとよい、と聞きましたが、これは夏季の水分補給を目的とした給与方法と考えてよいのでしょうか?
あるいは他の目的があるのでしょうか?

Answer

乾草を水に浸してから(温水であれば30分間、冷水なら60分間浸す)給与することによって乾草に含まれる水溶性の炭水化物を除去することができます(日本馬術連盟発行の月刊馬術情報2017年7月号の連載「愛馬のためのカイバ道場」vol.12をご参照ください。本HPからも無料で閲覧できます)。
このことによって、太りやすい馬や代謝性疾患を発症している馬に過剰な炭水化物の摂取を防ぐことができます。したがって、乾草を水に浸すことは水分補給を目的とした給与方法ではありません。

なお、馬の自発的な飲水は体内のナトリウムによって支配されている(ナトリウムの摂取量が少ないと自発的な飲水量が低下する)ことから、とくに夏季においては十分量の食塩(運動をしている馬であれば1日あたり100~120グラム)を与える必要があります。
日常給与する飼料に食塩を加えるとともに、日中放牧する場所の水飲み場に自由に舐められるよう鉱塩ブロックなどを設置することが奨められます。